ホタル再生プログラムの意義と経過報告

暗闇の中に淡い光が飛び交う。その光は亡くなった多くの御霊を鎮めているかのように輝いていた。

訪問支援5年目の夏、絶滅したゲンジホタルを再生したいという強い願いを自治会長から受けた。

復興支援の新たな試みとして全国明社・仙台明社と立ち上げた「ホタル再生プロジェクト」の成果の一端である。

1年目は川から水を引いた池を造成しカワニナの餌になるコケやセリを植えけた。

2年目は池にカワニナを放流し南三陸町の高台に生息していたホタルを採取して放流した。

3年目を迎えた昨年、このホタルが産み付けた卵がやっと成虫になったのである。まだ数は少ないが地元の皆さんの笑顔が嬉しい。

4年目の今年は、5月11日に昨年採取した成虫を自宅に持ち帰り育て孵化し成長した幼虫を池に放流した。

6月29日にこれらの幼虫が成虫になって飛んでいるのを確認する予定である。

「ホタルの輝き」は震災で亡くなられた方の魂を慰める鎮魂の意味がある。

また、住み慣れた土地を離れ復興住宅などへと散り散りになった被災者の皆さんが年に一度再開できる喜びも与えてくれる。

そして、復興とは名ばかりでインフラ等も整わず不便な生活を強いられている子どもたちに「夢や希望」を与えられる

のではないかと考えている。
                                 (上尾明社副会長 中山時次)

 

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